先日国民生活センターが未成年者の消費者トラブルについての現況調査を発表しました。
問題になっているのは小学生や中学生もスマートフォンやタブレットを使う機会が増えて、消費者トラブルに巻き込まれてしまうケースが増えている点です。
子どもが親のスマートフォンでゲームをしていて、知らない間に課金していてクレジットカードの請求が●万円にもなってしまった!という話も聞きました。
現況調査の結果
今回の現況調査によると、未成年者(小学生・中学生・高校生)の相談傾向としては、2014~17年度は「アダルト情報サイト」の相談件数減少に伴って、全体の相談件数は減少していました。
しかし翌年の2018~20年度にかけては健康食品や化粧品の相談が増え、相談件数が増加しました。
そして2021年度以降は全体の相談件数は減少傾向にありますが、インターネットゲームの相談が増加傾向にあります。


特に低学年でインターネットゲームの相談が多く、年齢が高くなるにつれて健康食品や化粧品、洋服などのネット通販に関するトラブルが多くなっていきます。
また気になる点は平均既支払額です。こちらは年々増加傾向にあります。
小学生・中学生では10万円を超えています。どちらも2022年から急激に高くなっています。
10万円というと大人から見ても高額だといえるでしょう。
むしろそれほど多額になるまで気づかないという点も問題な気がします。
ここからは考察になりますが、ここまで高額になるということは子どもが自身でお金を負担しているケースはほぼないのではないでしょうか?
となると親の端末で、紐づけされている決済手段を使って課金してしまうケースが散見されているのかと考えられます。
もし仮にそうならば対策としてはいくつかできることがあると思います。

どうやったら未然に防げるのか?
私が小学生・中学生のころは何かを買うにしても現金でしたし、ゲームも基本的には本体とソフトがないと遊べなかったので、今みたいに契約者トラブルになるケースは少なかったです。
ただ今の小学生・中学生は現金支払いもあるし、paypayといったQRコード決済での支払いも可能です。
そしてネットで商品を購入するのも当たり前の世代です。
それではどうやったら未成年者の契約者トラブルは防げるのでしょうか?
中学生や高校生になれば学校教育で金融教育や契約トラブルについて学ぶ機会もあるでしょう。
しかし小学生の授業ではまだこういったのを取り上げる機会は少ないかと思います。
そうなってくると予防でできることとしては、家庭内でのコミュニケーションだと思います。
スマートフォンの基本的な使い方はもちろんですが、決済手段、決済するときの注意点を日頃から伝えておくことが大切でしょう。
あとは子どもがいる家庭でかつ子どもが親のスマートフォンを使う場合があるならば、むやみやたらに決済情報を紐づけるのはしないようにしておきましょう。
特にオンラインゲームやamazonといったネットショッピングは情報を紐づけしてしまうと子どももボタン一つで決済が可能になってしまいます。
面倒かもしれませんが、都度入力にする対策をするだけでも防げるケースはあるでしょう。
また子どものスマートフォンに親のクレジットカードなどの紐づけはしないことも重要でしょう。
前述したとおり、子ども一人で数万~数十万のお金を課金してしまうことは考えにくいです。
まあもらったお年玉やお小遣いをそのまま課金に回してしまうケースもなくはないと思いますが。
お金の話はセンシティブ?
正直、まだまだお金の話ってセンシティブだと感じている方が多いと思ってます。
日頃の個別相談でも夫婦間でのコミュニケーションがうまく取れていないがゆえに家計管理がうまくいっていないケースも見受けられます。
私は仕事としてそこに踏み込んで話を聞かないことには何も始まらないこともあり、ほぼ抵抗はありません。
FPの私を通して各々のお金の価値観をすり合わせるお手伝いはできますし、必要に応じて子どもにどうやって伝えていけばいいのかの手助けもできます。
ただ日頃から家族内でお金の使い方の話や投資の話などをしておくことで防げる消費者トラブルはたくさんあるでしょう。
正直金融教育が世間でよく話題になるようになりましたが、私は一番の金融教育は家庭内でのコミュニケーションだと思っています。
何事も自分事にして考えてみることが一番身に染みて、知識として身に付きます。
これを機に皆さんも家族内で一度話す機会を設けてみませんか?
夫婦間はもちろん、親と子とのコミュニケーションも仲介してわかりやすくお伝えするお手伝いをします。
気になるかたは是非一度個別相談をご利用ください。