マイナス金利政策を解除すると発表されました。
今回の利上げはなんと17年ぶりになります。
17年前というと私は16歳(高校1年生)と考えると随分と長い間利上げがなかったんだなと実感します。
マイナス金利が解除されると家計にどういった影響が出てくるのでしょうか?
今回は皆さんにも馴染みがある預金金利・住宅ローン金利・株価為替の3つに分けて考えていきます。
そもそもマイナス金利政策とは?
マイナス金利政策は、ゼロ金利政策と資産買い入れ基金の創設の2点です。
ゼロ金利政策により、金融機関は日銀に資金を預けておくと日銀に金利を支払う必要があります。
金融機関からしたら日銀に資金を預けるよりかは企業や個人へ貸し出してほうがメリットがあります。
結果として企業や個人は金融機関から借り入れがしやすくなり、市場の資金量は増えることになります。
資産買い入れ基金は国債や社債、ETFを買い取るための基金です。
こちらも日銀が買い取ることによって市場の資金量は増えます。
今後はETFやREITの新規買い入れを終了し、社債の購入は段階的に減らしていき、1年後をめどに終了する予定です。
市場の資金量を増やすことによって日本は景気回復を図っていました。
今回のマイナス金利解除は大企業の春闘で賃上げ率が平均5.28%と33年ぶりの高水準だったことや、掲げていた2%の物価上昇の目的を達成できたことが要因と言われています。
銀行の預金利息
日銀のマイナス金利政策解除に伴って、メガバンクはさっそく普通預金金利を引き上げると発表しました。
なんと今の金利の20倍!で0.002%です。
20倍というかたそれなりにインパクトがありそうな気がしますが、そもそも現状の金利が低すぎるため、変わらないじゃん!という印象です。
例えば今の金利0.001%だと100万円を銀行に預けていた場合、利息は10円でした。
それが0.020%になると、利息は200円になります。
ちなみに三菱UFJ銀行は定期預金も引き上げ1年定期で0.025%、5年定期で0.2%にする予定です。
豆知識にはなりますがバブル期の預金金利はなんと6%前後。今の6000倍です。
100万円を預けたら1年で60,000円増えます。このくらい利息が付くのであればリスクを負って資産運用をしなくてもいいなと感じますよね。
住宅ローン金利
住宅ローン金利は固定金利、固定金利期間選択、変動金利の3つがあります。
それぞれ連動する金利が異なります。
固定金利は長期金利(10年国債利回りといったもの)と連動。
固定金利期間選択は長期金利(10年国債利回りといったもの)と連動。
変動金利は短期プライムレートと連動。
今回のマイナス金利政策解除でまっさきに影響するのは長期金利になります。
そのため、まずは固定金利や固定金利期間選択の金利に影響が出てくると思われます。
固定金利は借り入れをしたときの金利がずっと適用されるため、すでに固定金利で借り入れをしているかたは、金利が変わることはありません。
これから住宅購入する予定で固定金利を検討しているかたは金利動向を注視する必要があるでしょう。
固定金利期間選択は当初選択した期間が終わると、そのタイミングでもう一度金利を設定します。
そのため、間近で期間終了が迫っているかたは再度固定金利期間選択をするのか、このタイミングで固定金利や変動金利に借り換えるのかどうするのかを考えていく必要があります。
変動金利には影響がないのか?というとそういうわけではありません。
変動金利は基本的には短期プライムレートに連動していますが、金利の優遇幅は各金融機関によって異なります。
またお客様の属性等によっても適用金利が変わります。
変動金利が上昇してきたからといって固定金利に乗り換えたいと思っても、変動金利よりも先に固定金利のほうが上昇していきます。
そのため、変動金利で住宅ローンを組む場合には、金利上昇した場合でも十分に返済が可能かどうか、仮に上昇した場合には繰り上げ返済といった対策ができるのかどうかを事前に考えておく必要があります。
株価や為替
為替の変動要因としては金利差、物価動向、国際収支、景気動向、政治動向といったものが挙げられます。
マイナス金利解除によって金利差に影響がでます。
例えばアメリカの金利は現在5.5%で、今まで日本はマイナス金利でした。
投資家からしたら金利が高いアメリカのほうが魅力的なのでドルが買われて、円が売られます。
結果としてドル高円安が進みます。
今回のマイナス金利解除に伴って多少は円高に向かうと思ったら、円安になりました。
マイナス金利解除くらいの金利差では円の資金需要は高まらないという結果となっています。
株価に関しては、利上げをすると借入をしている企業は支払利息が増えます。
そうなると減収につながり、設備投資といったための新規の借入を控えるようになります。
結果として企業の業績に悪影響が出ると判断されて株価は下落する傾向になります。
しかし今回は為替にしろ、株価にしろセオリーとは違った値動きをしています。
投資をしているかたは今回のマイナス金利解除で保有している金融商品がどのように値動きするのかを注意してみておくといいでしょう。