先日は住宅ローン金利の借り換えについてまとめました。
まだのかたはこちらから。
借り換えの3つのポイントに該当しないかたや、シミュレーションをしたけどあまり返済額の軽減はできなさそうというかたはほかに成すすべはないのか?と思うでしょう。
ただ住宅ローンは借り換え以外にも繰り上げ返済という手段もあります。
今回は繰り上げ返済についてみていきます。
繰り上げ返済の種類
まず繰り上げ返済には下記の2種類あります。
・返済期間短縮型
返済期間短縮型は毎月の返済額は変わりません。
その代わり返済する年数が短くなります。短くなった分の利息を支払う必要がなくなるため、利息軽減効果が高いです。
・返済額軽減型
返済額軽減型は毎月の返済額を少なくすることができます。
その代わり返済する年数は当初から変わりません。返済期間短縮型と比較をして利息軽減効果は低いです。
たとえばどういったかたが繰り上げ返済するといいのか?
返済期間短縮型の場合は、65歳以降も住宅ローンの支払いがあるようなかたです。
現状65歳で退職をして、それ以降は年金生活になります。
年金生活に入ってからも住宅ローン返済があると収入よりも支出のほうが大きくなります。
そうならないために繰り上げ返済をして、返済期間を退職する65歳まで短縮できるのが理想です。
一方で返済額軽減型の場合は、これから子どもが大きくなり教育費がかかるようなご家庭です。
早いタイミングで繰り上げ返済をして返済額を軽減できれば、大学進学といった教育費の負担がかかるタイミングでも無理なく住宅ローンの返済ができます。
繰り上げ返済をするデメリット
・住宅ローン控除の適用を受けている間に繰り上げ返済をしてしまうと住宅ローン控除の年末残高が減ることになるため、控除額が少なくなります。
・返済期間短縮型の場合、短縮した分の団体信用生命保険の保障期間が短くなる。
・手元資金がなくなるため、直近で大きな支出を控えている人にはおすすめできない。
このようなデメリットが挙げられます。
特に変動金利で借り入れをしており、金利が低い場合には急いで繰り上げ返済をする必要もないでしょう。
ただし仮に金利が上昇したときは繰り上げ返済をすることで返済額が今までと変わらないようにするといった対処ができるようにしておくといいです。
また年齢によってはあえて繰り上げ返済しないのも一つの方法です。
たまに退職金で繰り上げ返済をしようと思っているというかたがいます。
ただそのタイミングではほとんど元本の返済で、利息軽減の効果は低いです。
退職金や手元の預貯金が十分にあるならば、繰り上げ返済をせずに今まで通り返済をして手元資金を残しておくといいでしょう。
また繰り上げ返済をすることで団体信用生命保険もなくなります。
それであれば繰り上げ返済をしないで、万が一に備えて団体信用生命保険を残しておくのも一つの方法です。
まとめ
繰り上げ返済をすることで返済期間の短縮や返済額の軽減ができます。
ただし繰り上げ返済をするタイミングを間違えてしまうと、急な支出に備えられずに住宅ローン金利よりも金利が高い借入をしなければいけません。
そうならないためにも繰り上げ返済した場合のシミュレーションをしてどのくらいの効果が見込まれるのかを確認したうえでおこないましょう。
また直近で車の買い換えや教育費といった大きな支出が発生する予定があるかたは、繰り上げ返済をしても手元資金が十分に残っているのかどうか考えておきましょう。