制度改正でなにが変わるの?
さて、先日総務省から、来年2025年から『ポイント付与するサイトを通じた寄付の募集を禁止する』と発表されました。
例えば、ふるさと納税のサイトでは、寄付金に対して●%ポイント還元といったことをやっています。
ポイント還元率でサイトを選んでいるかたも多くいらっしゃるでしょうから、それによってサイト運営者は顧客の囲い込みをしています。
それがふるさと納税の趣旨にそぐわないということが今回の制度改正理由です。
これに対して、楽天は反対署名活動を始めたそうです。
今回の制度改正のポイント なぜポイント付与がいけないの?
基本的にポイント還元の原資は、ふるさと納税による寄付金ではありません。
サイト運営側がポイント原資を負担しています。
それであれば別に構わないじゃないの?と思われるかもしれませんが、ふるさと納税のそもそもの趣旨としては、「生まれ育った自治体などを応援する」です。
ポイント目当てでポイント還元率を見てサイトを選び、ふるさと納税をするとなってしまうと確かに制度趣旨とは違うと感じます。
ふるさと納税運営サイトの売上は、自治体から支払われる手数料がメインです。
※グループ会社でやっている場合もあるため、純粋にこの売上だけで事業をやっているわけではありません。あくまでもふるさと納税という視点だけで見た場合はという意味です。
ポイント付与をすることでお客様を集めれば集めただけ売上が増えます。
そして、その売上をもとにサイト運営側はポイント付与という形でお客様に還元をします。
結果的にポイントの原資の一部は自治体が負担しているとも捉えられるこの構造が趣旨にそぐわないということです。
ふるさとの納税利用者からしたら(私見)
私自身ふるさと納税は毎年やっています。
たしかにポイント付与があればお得に感じますが、それが主ではないのでなくなっても別に構わないかなと思っています。
ポイント付与が無くなったとしても、寄付金控除と返礼品の恩恵で充分にお得な制度ではあります。
ニュースの街中インタビューの中には、ポイント還元が無ければふるさと納税はしなくなるかもしれないという声もあるようですが……。
たしかにポイント還元はポイ活の一環として、ふるさと納税を始める一歩の後押しをしていた側面もあるでしょう。
ただポイント還元がないならやらないというかたは、もしかしたらふるさと納税のメリットである寄付金控除などを理解せずに、単純にポイント欲しさでやっているのかなとも感じました。
この制度改正によって、今年は最後の囲い込みとして競争が過熱するかもしれません。
ふるさと納税のサイトに限らず、一度使い始めたサービスをほかのサービスに乗り換えるのは手間です。
一度使ってもらえれば、その後もふるさと納税をするときには同じサイトを利用することになるでしょう。
ふるさと納税の運営サイトも今となっては30社以上ありますし、大手百貨店や交通機関なども参入しています。
利用をしておいていうのもなんですが、返礼品競争に、ポイント還元と確かに本来のふるさと納税の趣旨とは違ってきているというのは感じます。
人気の返礼品を用意している自治体はふるさと納税によって潤っているでしょうし、返礼品に魅力が少ない都内だとふるさと納税によって住民税が減少しているところもあります。そのバランスを取るのは非常に難しいでしょう。
ふるさと納税に限らず、制度等は時代とともに変化していきます。
自分に関係がありそうな制度改正であれば、情報に流されるのではなく自分で調べてどうすればいいのかを見極めるようにしましょう。