今回紹介する本は『TO BE RICH』です。
読んでみて同意できる点と同意できない点について簡単にまとめたいと思います。
なお私のやっているビジネス上、ポジショントークもありますが悪しからず。
もし気になるかたは手に取って読んでみてください。
同意できる点
本の中で同意できる点について挙げていきま。
支出や貯蓄を仕組み化する。
これは日ごろの個別相談のなかでもお客様に伝えていることになります。
いくら家計簿アプリで管理をしていたとしても、キャッシュフロー表を作成したときに数字が一致するかたのほうが数少ないです。
今までの経験則上、お客様の言われた通りにキャッシュフロー表を作成したときに概ねズレなく作成できるのは20人に1人くらいです。
別にこれが悪いこととは思っていません。
それだけ家計管理は難しいので、そこに意識を向けるよりかは仕組み化をしたほうがストレスなくできることを常日頃お客様に伝えています。
また貯蓄に関しても私自身貯蓄方法は人それぞれですが、まずは先取り貯金で仕組み化をすることを推奨しています。
この点は大いに共感することができました。
お金をつかうことに対する意識
本のなかではお金を払っているものに価値を感じられているかどうかという意識を持つ重要性についても触れています。
これについても大切だよなと思います。
たとえば私の場合は、フットサルが趣味で月に約1.5万円くらいつかっています。
他人から見たらそれなら「毎日のカフェ代に使うよ」というかたや「飲みにいく」というかたもいるでしょう。
ただ私からしたらフットサルで仕事以外の交友関係を築け、ストレス発散もでき、健康維持につながるという点からこの支出について全く無駄だとは感じていません。
このように人によって価値観はさまざまなので自分がお金をつかうときに、それに対して価値を感じられているかどうかは意識していくとつかいかたも変わってくると思います。
同意できない点
次に同意できなかった点を挙げていきます。
ここからはポジショントークを含みますので、一個人の感想です。
支出の割合設定について
前述で支出の仕組み化については同意できると書きましたが、著書のなかでの支出割合に関しては同意できませんでした。
大衆が読む本なので仕方がないとは思いますが、どこの支出に関してどのくらいお金に使うかは価値観によって違います。
たとえば、住まいは寝るだけだからお金をかけたくないけど、食に使うお金は惜しまないというかたもいれば、食は自炊するからお金をかけずに済むが住環境は重視したいというかたもいるでしょう。
またライフプランが変化すればその支出割合も変化していきます。
よって支出割合にルールを定めて管理するのは同意できませんでした。
FPという存在価値について
著書のなかではFPに支払う手数料も高いからFPに仕事を依頼しないようにしましょうと書かれています。
私自身がFPとして仕事をしている以上ここは同意できません。(当たり前ですよね、同意したらこの仕事やってないし)
日本ではまだそこまで浸透していませんが、著者が住んでいるアメリカでは、医師・弁護士と並ぶくらいにFPという仕事は重要になっています。
支出や貯蓄を仕組み化したところでFPという仕事がなくなるくらい、お金の管理は単純かと言われたらそうではありません。
むしろ仕組み化することがスタート地点でそこからのメンテナンスがFPの腕の見せ所!とさえ思っています。
本のなかでリバランスの重要性やポートフォリオの管理については触れられていますが、果たしてどのくらいのかたが自分でそこまで管理できるでしょうか?
そういった意味でもリバランスやポートフォリオ管理に関して客観的にそのときの情勢に合わせてアドバイスをおこなうスキルを持ったFPという存在は重要だと思います。
ターゲットイヤーファンド押し
なぜかこの本ではターゲットイヤーファンドが押されていました。
ターゲットイヤーファンドを否定するわけではありません。
私もお客様にリスク許容度の話をするときにGPIFのポートフォリオやターゲットイヤーファンドを引き合いにだすこともあります。
しかしiDeCoやつみたてNISAでターゲットイヤーファンドを購入したとしても、全体資産のポートフォリオで考えたときに資産バランスはターゲットイヤーファンド通りにはいかなくなります。
そうなるとあまり意味をなさないし、それであればターゲットイヤーファンドをモデルにして自分でリバランスしやすいように構築してあげたほうがいいんじゃないかなと感じました。
もちろんこの点に関しては著書のなかでも触れられていますが、そこに時間を使ったり、FPにお願いするくらいならターゲットイヤーファンドを購入したほうが楽だという視点で書かれていました。
まとめ
個人的には同意できる点が3~4割、同意できない点が6~7割といったところでした。
要約するとお金のことはなるべく仕組み化をすることで、お金の管理のために時間を費やしたり思い悩む時間を削減しようといった内容だと受け取りました。
最近の言葉でいうと「タイパ(=タイムパフォーマンス)」を意識した著書になっていると思います。