そのかたは自分で色々と調べた結果、線下補償を事業所得にできるという記事やyoutubeを見かけたとのことでした。
この質問を受けた私は、情報過多になっている昨今、誤った情報を信頼してしまったがゆえに損してしまうかたもいるんじゃないかと思った次第です。
※線下補償とは、電力会社が鉄塔や変電所敷地や高圧送電線が上空通過する土地の所有者に定期的にお支払いをするものです。
ちなみに不動産所得で青色申告控除65万円を取りたい場合には、5棟10室の事業的規模を満たしているか、事業所得と不動産所得の2つを有している必要があります。そして線下補償に関しては事業所得にはできません。
事業所得にできないと65万円控除が取れないので、万が一この情報を見て誤って65万円控除を取ってしまい、あとで修正申告するように言われた場合には追徴課税がされる恐れがあります。
今回は税金に関するものでしたが、最近では情報がありすぎてこれに限らず様々な場面で誤った情報を信じてしまうことって増えているのかなと感じます。
発信された情報が正しいものかどうかをどうやって確認すればいいのかについてお伝えします。
どうやって情報を取得するか?
以前であればTVや新聞が多かったでしょうが、最近ではXやInstagramといったSNSにyoutubeというかたも多いでしょう。
これらで情報を取得することが一概に悪いとは思いません。
しかし、素性の知れない人が発信している情報は必ずしも正しいとは限らないというのを頭の片隅に入れたうえで情報を受け取るようにしてください。
その情報があっているかどうか判断がつかない場合には、情報を鵜呑みにするのはやめましょう。
それでは皆さんはどうやって情報を取得しているのでしょうか?
ここで総務省のデータを確認してみましょう。
調査対象者は13~69歳までの男女1,500名です。
メディアの平均利用時間の推移(H24年~R4年の推移)
文字が小さいので補足をすると赤がテレビで青がネットです。
推移を見てもらうと分かる通り、令和になるにつれて全年代でテレビとネットの逆転現象が起こっています。
つまりテレビで情報収集するよりもネットで情報収集している人が増えていることが分かります。
平均利用時間は?
これは令和4年度の平均利用時間です。
若いかたは平日休日いずれにしてもネット利用時間が長くなっています。
年齢が上がるにつれてテレビの利用時間が増えていっているのが分かります。
利用項目別の平均利用時間
若いかたはソーシャルメディアを見る、もしくは書く。動画投稿・共有サービスを見る割合が大きくなっています。
このデータからも若いかたは情報をネットから得ている人が多いのが分かるでしょう。
コミュニケーション系メディアの利用時間を見ていても一目瞭然です。
FPの私が普段どうやって情報を取得しているのか?
それでは正確な情報はどうやって探せばいいのでしょうか?
普段私がお金周りの情報を探すにあたっては官公庁や市区町村などのHPから情報を取得するようにしています。
資産運用について
金融庁(NISA):https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/index.html
金融広報中央委員会:https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/e-learning/
日本証券業協会:https://www.jsda.or.jp/
投資信託協会:https://www.toushin.or.jp/
日本FP協会:https://www.jafp.or.jp/
住宅に関する制度や補助金について
国交省(住宅補助金関連):https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/shienjigyo_r5.html
子育て支援
こども家庭庁:https://www.cfa.go.jp/policies/kokoseido/sukusuku/
東京都:https://www.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/fukushi/kosodateshien/index.html
市区町村(練馬区参考):https://www.city.nerima.tokyo.jp/kosodatekyoiku/kodomo/shinshien/shinseidogaiyou.html
年金
年金事務所:https://www.nenkin.go.jp/faq/index.html
税金
それでも分からない場合には?
官公庁や市区町村のHPってどうしても分かりづらくて苦手!というかたも多いでしょう。
調べてみたけど分からないという人は、電話や窓口で問い合わせしてください。
対面のほうがいろいろと聞けて勉強になります。
それ以外にも専門家に聞くのも一つです。
例えば税金のことなら税理士、社会保険のことなら社労士などそれぞれの分野で専門家がいます。
FPもお金にまつわる知識を有している専門家です。
気になることがあるけど誰に聞けばいいのか分からない!ってときはぜひFPに相談してみてください。
FPは独占業務はないものの、お金にまつわる様々な知識を勉強しています。
そのため、皆さんが困っているお金のことを解決できます。
またもし必要であれば、対応できる専門家につなげて問題解決を図ることもできます。
インターネットに頼るのもいいですが、情報迷子になるくらいなら人に聞いたほうがいいケースもあります。
何より情報をそのまま受け取るのではなく、自分で調べるまたは考える習慣を持ちましょう。