今年の10月に社会保険の制度が改定となります。
そこで今回は社会保険の制度がどのように変わるのかをまとめていきます。
キーワードとしては「短時間労働者」です。
短時間労働者とはアルバイトやパート、日雇い労働者などが該当します。
制度改定で押さえておくべきポイントは下記の2つです。
① 社会保険を適用する企業の規模
② 社会保険加入資格の要件変更
制度改定で押さえておくべきポイント
今回の改正では事業所の規模が常時501人以上だったのが、常時101人以上に変更となります。
これがポイント①社会保険を適用する企業の規模です。
また今までは勤務期間が1年以上継続して見込めるかたが対象でした。
10月からは2か月以上継続して見込めるかたが対象になります。これがポイント②社会保険加入資格の要件変更です。
自身が社会保険適用対象になるかどうかの確認はまず勤め先の従業員数が常時100名以上いるのかどうかです。
さらに下記のチェックポイントがすべて該当するかたは社会保険の対象になります。
・週の所定労働時間が20時間以上
・月額賃金が8.8万円以上
・2か月以上雇用される見込みがある
・学生ではない
社会保険の加入メリット
・厚生年金の加入により将来の年金受取額が増える。
厚生年金に加入することで国民年金だけでなく、厚生年金も受け取れるようになります。
また年金というと老齢年金を思い浮かべるかたが多いでしょう。
しかし障害年金や遺族年金といった保障もあります。
・健康保険に加入することで傷病手当金や出産手当金が受け取れる。
傷病手当金は病気ケガで仕事ができず、会社を休んだ日が連続して3日間あったうえで、4日目以降、休んだ日に対しておよそ給料の2/3が支給されます。
出産手当金は産休期間中におよそ給料の2/3が支給されます。
・保険料は労使折半。
社会保険の加入デメリット
・社会保険料負担が生じる。
・配偶者の扶養から外れる。
保険料は労使折半とはいえ、今まで配偶者の扶養に入っていた場合は保険料負担が生じることになります。
社会保険料負担が増えると世帯全体で見ると手取り金額が減ることになります。
・配偶者の税金が増える可能性がある。
今回の制度改定を機に仕事量を多くした場合には収入も増えることになります。
そうなると配偶者控除できる金額も変わる可能性があります。
まとめ
今回の制度改定によって、今まで社会保険の適用がなかったかたも社会保険に加入しなければなりません。
加入することで社会保険料の負担が増えるから仕事量も増やすというかたがいれば要注意です。
収入が増えると今度は配偶者控除との兼ね合いも発生してきます。
社会保険加入になるかどうか微妙なラインにいるかたは、今までより少し仕事量を減らし収入を少なくするのか、はたまた仕事量を増やして収入を多くするのか考える必要があります。
そのうえで社会保険に加入するメリット、特に年金部分のシミュレーションをするとよいでしょう。
もしどのくらいのメリットデメリットがあるのか知りたいかたはFPに相談してシミュレーションをすることをおすすめします。