高額療養費制度ってなに?

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今回はお金に関する情報でSNSやyoutubeでも目にする機会が多い高額療養費制度についてみていきます。

日本の公的保障は最強!だから保険は不要という内容もありますが、本当にそうなのか?

制度を振り返りながらその点についても考えていきます。

目次

高額療養費制度の基礎知識

制度としては、病院や診療所で支払う医療費が一定以上になった場合、負担上限を超える部分を払い戻してくれる公的保障です。

なお入院中の差額ベッド代や食事代、先進医療にかかる費用、保険外診療は高額療養費制度では保障されません。

所得区分と負担上限額は下記の通りです。

平成27年1月診察分から

所得区分ひと月あたりの自己負担限度額
①年収1,160万円
健保:標準報酬月額83万円
国保:年間所得901万円超
252,600円+(医療費-842,000円)×1%
多数回該当 140,100円
②年収約770~1,160万円
健保:標準報酬月額53~83万円
国保:年間所得600~900万円超
167,400円+(医療費-558,000円)×1%
多数回該当 93,000円
③年収約370~770万円
健保:標準報酬月額28~53万円
国保:年間所得210~600万円超
80,100円+(医療費-267,000円)×1%
多数回該当 44,400円
④年収~約370万円
健保:標準報酬月額28万円未満
国保:年間所得210万円以下
57,600円
多数回該当 44,400円
⑤住民税非課税者35,400円
多数回該当 24,600円

※多数回該当とは

1年の間に3回以上高額療養費に該当している場合に多数回該当になります。

シミュレーション

医療費1,000,000円かかり、健康保険の3割負担ということで300,000円支払済みの場合

所得区分①

252,600円+(医療費-842,000円)×1%=254,180円

300,000円-254,180円=45,820円の戻り

所得区分②

167,400円+(医療費-558,000円)×1%=171,820円

300,000円-171,820円=128,180の戻り

所得区分③

80,100円+(医療費-267,000円)×1%=87,430円

300,000円-87,430円=212,570円の戻り

所得区分④

57,600円

300,000円-57,600円=242,400円の戻り

所得区分⑤

35,400円

300,000円-35,400円=264,600円の戻り

過去の高額療養費制度は?

ここで過去の高額療養費制度を見てみてます。

平成26年12月診察分まで

所得区分ひと月あたりの自己負担限度額
①年収770万円
健保:標準報酬月額53万円
国保:年間所得600万円超
150,000円+(医療費-500,000円)×1%
多数回該当 83,400円
②年収約210~770万円80,100円+(医療費-267,000円)×1%
多数回該当 44,400円
③住民税非課税者35,400円
多数回該当 24,600円

シミュレーション

医療費1,000,000円かかり、健康保険の3割負担ということで300,000円支払済みの場合

所得区分①

150,000円+(1,000,000円―500,000円)×1%=155,000円

300,000円-155,000円=145,000円の戻り

所得区分②

80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%=87,430円

300,000円-87,430円=212,570円の戻り

所得区分③

35,400円

300,000円-35,400円=264,600円の戻り

平成27年の改定によって、所得区分が細分化されました。

これにより年収が高いかたは高額療養費制度の負担限度額が高くなりました。

どうなる?将来の社会保障

社会保険に関しては制度の改定がおこなわれます。

将来どのように社会保障が変わるかは誰にも分かりません。

しかしデータを見ることで考察したり、予測をしたりはできます。

データを見てみると、2022年度の予算で社会保障は全体の33.7%を占めます。

その予算のうち、34.3%を国債(借金)で賄っています。

家計と同じで借金を減らすためには、税金や保険料を増やす(収入を増やす)

もしくは給付条件を変える(支出を減らす)といったことがあります。

この状況下では社会保障制度がよくなることは考えづらく、将来的には負担増になることが予想できます。

「日本の財政を考える」: 財務省 (mof.go.jp)

まとめ

今回は高額療養費制度についてまとめました。

SNSやyoutubeの高額療養費制度情報はあくまでも現制度の解説です。

たしかに現制度であれば手元資産から工面して備えるかたもいるかもしれません。

しかし今後公的保障が制度改定され、自己負担額が増えた場合はどうでしょうか?

その時に保険に加入したいと検討したとしても

・年齢的に保険料が高くなる。

・健康上の理由で加入できない。

できたとしても割増保険料がかかる。条件が付いてしまうということもあります。

SNSやyoutubeでの情報収集を否定する気はありませんが、発信されている情報だけを鵜呑みにするのはやめましょう。

お金に関しては現時点だけではなく、将来を踏まえたうえで考える必要があります。

そしてその人のおかれている状況によってアドバイスは異なります。

自分でも調べてみて、時には専門家に話をきくことも大切です。

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